推理小説を主に読むミステリーファンの感想メモ

推理小説とミステリーと

ミステリー・推理小説の文庫傑作ランキング30

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ミステリー小説は、それぞれの好みによって「面白い!」と感じるものは違います。

そのため単行本で購入するのは少し躊躇することも。

そんなときは、文庫化された作品から選んでみてはいかがでしょうか。

今回は、文庫化されたミステリー小説の中から、傑作と思われるものを30選ご紹介しましょう。

1位 占星術殺人事件 島田荘司

40数年前に起こった未解決の難事件に御手洗潔が挑む、人気の御手洗潔シリーズの1作目です。

この作品は、「これ以上のトリックは思いつかない」と言われるほど秀逸なトリックがウリ。

色々な作品に盗用されたという噂もあるほど斬新でよくできています。

推理小説が好きな方なら、絶対に読んでほしい傑作ミステリー小説です。

2位 十角館の殺人 綾辻行人

大学の推理小説研究会のメンバーが訪れた角島にある十角館で、連続殺人事件が起こるミステリー小説です。

脱出不可能な島で起こる連続殺人事件という設定は、「そして誰もいなくなった」以降よく見かけるものですが、それらとは一味違ったトリックが隠されています。

確認のためにもう一度読み返したくなります。

綾辻行人さんの人気シリーズ「館シリーズ」の中でも特に秀逸だという声が多い作品です。

2007年に新装改訂版の文庫が出版されていますので、これから購入する方はそちらがおすすめです。

3位 夏と花火と私の死体 乙一

田舎に住む五月と弥生は、クラスメイトで、弥生の兄の健も交えてよく一緒に遊んでいました。

しかしある日、弥生は五月のことをひょんなことから殺してしまい、健に死体を隠すようお願いして…。

小学生が殺人を犯すという衝撃の内容です。

このミステリー小説、なんと乙一が16歳の頃に手がけたというから驚きです。

物語を殺害された五月が語るところが斬新です。

今話題の乙一の作品を、まずは文庫で手軽に楽しんでみてくださいね。

4位 火車 宮部みゆき

このミステリー小説は、大人気作家宮部みゆきさんの作品です。

多重債務が題材のミステリー小説で、「彰子」という女性の謎を明らかにしていく内容となっています。

宮部みゆきさんらしい細やかな心理描写が魅力です。

彰子の謎が早く知りたくて、ページをめくる手が止まりません。

宮部みゆきさんの数ある文庫化作品の中でも特におすすめです。

5位 密室に向かって撃て! 東川 篤哉

烏賊川市警の志木刑事と砂川警部は、何者かに密造拳銃を持ち逃げされてしまいます。

さらにその拳銃を使った殺人事件が起き…。

ストーリーだけ見ると普通のミステリー小説に思えますが、コメディータッチでライトな読み口の作品に仕上がっており、「怖いミステリー小説は苦手」という方でも気軽に読むことができますよ。

6位 ハサミ男 殊能 将之

このミステリー小説は、前情報入れずに読むのがおすすめです。

それでもどんな話か知りたいという方のために、必要最低限の情報をお伝えすると、美少女ばかりをターゲットに、喉をハサミで切り裂くという手口で殺人を繰り返すハサミ男。

模倣犯に次のターゲットを殺されてしまい、その模倣犯を探すストーリーです。

ストーリーのあちこちに張り巡らされた伏線が、ラストに向けてどんどん回収されていきます。

衝撃のラストは、思わず「え!」と声が出てしまうほど。

7位 臨床犯罪学者・火村英生の推理 密室の研究 有栖川有栖

人気ミステリー作家有栖川有栖さんのミステリー小説の中でも特に人気の高いのが、臨床犯罪学者火村英生が活躍するシリーズです。

この作品は、そのシリーズから有栖川さんが選んだ短編を集めたものです。

有栖川さん自ら選んだというだけあって、どのストーリーも凝ったトリックを楽しめるものばかり。

火村と助手役の有栖川のテンポの良い掛け合いも、作品に色を添えています。

8位 インシテミル 米澤 穂信

報酬が高額な、人文科学的実験の被験者のアルバイトとして集められた男女12人は、デスゲームに参加させられます。

このミステリー小説は、スピード感のあるスリル満点のストーリー展開とともに、いろいろなミステリー作品のオマージュが散りばめられているところが見どころです。

ミステリー小説ファンの方なら、思わずニヤリとしてしまうでしょう。

9位 虚無への供物 中井 英夫

この作品の探偵役牟礼田は、かなり知識豊富な人物。

そんな牟礼田が遠縁の氷沼家で起きた殺人事件をうんちくを語りつつ推理します。

ミステリー小説を読み慣れている方なら、探偵役と一緒に犯人やトリックを探ることを楽しむでしょう。

このミステリー小説は、なんと読者参加型。

そんな考察の魅力を存分に楽しめます。

ただしこのミステリー小説は、日本三大奇書と呼ばれる代物。

読み解くのはなかなか難しいかもしれません。

「我こそは!」という方は、ぜひ挑戦してみてくださいね。

10位 七つの棺 折原 一

密室が大好きな黒星警部は、そのせいでエリート街道から外れてしまいます。

そんな黒星警部が出会った7つの密室。

彼は無事事件を解決できるのでしょうか。

密室トリックには多くのパターンがあり、このミステリー小説に登場する7つの密室はどれもタイプが異なります。

また短編集で1つの話が短いところもポイントです。

密室のトリックを重点的に楽しみたい方に特におすすめの文庫化ミステリー小説です。

11位 匣の中の失楽 竹本健治

このミステリー小説は日本三大奇書と呼ばれる本たちに影響を受けて書いたのだそう。

そのためこの作品を付け加え、日本四大奇書と呼ばれることもあります。

ミステリーマニアの大学生たちが、推理小説のような殺人にあい、そのたび周囲の人たちが推理合戦を行うという内容。

「密室とは?」と問う内容で、読み終えた後に、現実とフィクションの境目がわからなくなるような感覚に陥ります。

12位 もういちどベートーヴェン 中山七里

中山七里さんの人気音楽ミステリーシリーズです。

そのなかでも特に人気のキャラクター岬洋介の過去を描いた作品となっています。

岬洋介の魅力を堪能できますよ。

もちろん推理部分も十分堪能できますよ。

中山作品お得意のどんでん返しな展開が光ります。

13位 僕が殺した人と僕を殺した人 東山彰良

2015年の冬、サックスマンと呼ばれる連続殺人鬼が逮捕された。

サックスマンを弁護することになった私は、13歳の頃にサックスマンに出会っていたことを思い出す。

台湾が舞台の青春ミステリーです。

実は青春時代に知り合っていた2人が、連続殺人犯と弁護士という立場で出会ってしまう。

そのせつなさが切々と伝わってきます。

心理描写が細やかさがこのミステリー小説の一番の見どころでしょう。

14位 グラスホッパー 伊坂幸太郎

妻を殺された主人公が、殺し屋たちに翻弄されるストーリーです。

殺し屋が登場するというハードボイルド小説のような設定ですが、主人公のとぼけた味が物語を軽妙にしてくれます。

スピード感のある物語展開で、最後までハラハラドキドキしながらあっという間に読めてしまいますよ。

15位 誰か Somebody 宮部みゆき

宮部みゆきさんの人気シリーズ「杉村三郎シリーズ」の1作目です。

杉村三郎は今多コンチェルンの広報室に勤務しており、そこに持ち込まれたある相談を受け調査をします。

杉村三郎シリーズは2021年6月現在全てが文庫化されていますので、ぜひ全てのシリーズを読んでみてくださいね。

宮部みゆきさんが得意とする心理描写や人間ドラマを十二分に堪能できますよ。

推理自体もロジカルですっきりとした読後感のものが多いです。

ただ1作目のこの作品は、イヤミスというほどではありませんが、少々後味の悪いラストとなっています。

16位 イニシエーション・ラブ 乾くるみ

人数合わせの合コン先で出会ったマユと僕の恋愛物語です。

内容的にはミステリー小説というよりはよくある恋愛小説なのですが、読み進めるうちになんとなく違和感を覚えます。

最後にその違和感の正体がわかったとき、「やられた」という気持ちに。

ただ、最後までどこがミステリー小説なのかわからなかったという人もいるそう。

まだ読んだことのない人は、ぜひどう感じるか読んで確かめてみてくださいね。

17位 扼殺のロンド 小島 正樹

密室で不可解な原因で亡くなった2つの遺体が発見されます。

その後その遺体の遺族も密室で奇妙な亡くなり方をします。

小島正樹さんのミステリー小説は、機械的トリックに優れた作品が多いところが特徴です。

叙述トリックのようなどんでん返しはありませんが、「そんなトリックだったの!」と驚かされること間違いなしですよ。

ロジカルなミステリー小説が好きな方におすすめです。

18位 密室殺人ゲーム王手飛車取り 歌野晶午

5人の仲間たちで、誰かが殺人を犯し、他のメンバーがそのトリックを言い当てるという殺人ゲームを行います。

ミステリー小説は、事件の背景や心理描写などが描かれ、そういったストーリーも一緒に楽しむものが多いですが、この作品は、トリックの推理に特化しているところが魅力です。

「トリックだけを純粋に楽しみたい」という方におすすめのミステリー小説です。

19位 夢幻花 東野圭吾

梨乃は、祖父の遺体の第一発見者となり、その際祖父の庭にあった黄色い花の鉢植えが消えていることに気がつきます。

この事件の周囲にはさまざまな人の人生があり、それらが事件を中心に結びついていきます。

その様はまるでパズルのピースが次々ハマっていくかのようで、爽快感を覚えます。

読後感は爽やかで、東野圭吾作品らしい展開がたまりません。

20位 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 村上春樹

このミステリー小説は、表向きには主人公の多崎つくるが大学時代の黒い過去に向き合うストーリーで、一見ミステリー小説には見えません。

しかしミステリー小説だと気がついた途端、探すべき犯人と、犯人につながる伏線がストーリー内に散りばめられていることに気がつきます。

普通のミステリー小説に飽きた方は、ぜひ犯人探しに挑戦してみてくださいね。

21位 殺人鬼フジコの衝動 真梨幸子

殺人鬼フジコは、一家惨殺事件のたったひとりの生き残りでした。

なぜ彼女は殺人鬼となってしまったのでしょうか?

この本を読み終えたとき、思わず主人公の名前をネットで検索してしまいました。

このミステリー小説をあとがきまで読んだ方は、きっと同じような行動をとるでしょう。

これが一体どういうことなのか、まだ読んでいない方は自分の目で確認してみてくださいね。

22位 珈琲店タレーランの事件簿 岡崎琢磨

謎解きが趣味の女性バリスタが、日常の謎を解きつつ成長を遂げる物語です。

ほのぼのとした世界観の、日常の謎を取り上げたストーリーです。

コーヒーや京都の街並みの描写が秀逸で、本当に京都の街でコーヒーを飲んでいる気分に浸れますよ。

伏線があちこちにちらばめられており、何度読み返しても新たな発見があり楽しめます。

23位 異邦の騎士 島田荘司

このミステリー小説は、島田荘司さんの人気シリーズ、「御手洗潔シリーズ」の長編3作目です。

記憶を失った男は、妻子を殺害した記憶が蘇ります。

本当に彼が殺したのでしょうか。

島田荘司さん特有のラストの驚きを堪能できますよ。

こちらの文庫は改訂版が出版されていますので、これから購入する方はそちらがおすすめです。

24位 そして二人だけになった 森博嗣

海水に囲まれた密室で連続殺人事件が起こり、最後にたった2人だけが残されます。

密室で起こる連続殺人事件という設定はよくありますが、このミステリー小説の斬新なところは、事件のトリックと心理的トリックが重なり合っているところ。

深く読みこむと、普通のミステリー小説とは違ったトリックのすごさに気付かされます。

25位 不連続殺人事件 坂口安吾

純文学作家の坂口安吾さんが書いたミステリー小説です。

ストーリーは、山荘に集められた奇妙な男女が連続殺人事件にまきこまれるというもの。

ミステリー小説は、トリックのすごさに重きが置かれる傾向にあり、文学的な表現に優れた作品は少ないかもしれません。

そんななかこの作品は、ロジカルなトリックとともに純文学者らしい優れた表現も楽しめます。

26位 蛍 麻耶雄嵩

大学のオカルトサークルに在籍する6人は、殺人事件の現場となった「ファイアフライ館」に足を運びました。

それがきっかけでさらなる事件に巻き込まれることになります。

このミステリー小説は、トリックが2つあるところがポイントです。

1つのトリックにしか気がつかないと、なんの変哲も無いミステリー小説としか感じないかもしれませんが、もう一つのトリックに気がついたとき、この小説の本当の面白さがわかりますよ。

27位 硝子のハンマー 貴志祐介

このミステリー小説は、ドラマ化もされた青砥純子と榎本径のコンビが活躍する人気シリーズです。

介護サービス会社の社長が密室で殺害されます。

この密室の謎に青砥純子と榎本径のコンビが挑みます。

このシリーズは、短編集と長編があるのですが、これは長編なので長編ならではの人間模様や犯罪に至る心理なども描かれており、トリック以外のところも楽しめます。

28位 姑獲鳥の夏 京極夏彦

主人公が古書店と憑物落としを生業とするという、なんとも奇抜な設定。

そんな主人公の元に「密室からいなくなった男を探してほしい」という依頼が持ち込まれます。

このミステリー小説は、京極夏彦さんの人気シリーズ「百鬼夜行シリーズ」の1作目です。

独特のおどろおどろしい世界観にハマる人が続出!トリックも斬新で驚くこと間違いなしです。

ぜひご自分の目で見て確かめてみてくださいね。

29位 ポアロのクリスマス アガサ・クリスティー

アガサ・クリスティーの人気シリーズポアロシリーズの一作です。

ストーリーは、クリスマスの夜に起こった殺人事件をポアロが解決するといった内容。

ポアロシリーズといえば、アクロイド殺しやオリエント急行殺人事件などが有名ですが、この作品もそれらの作品と同じくらいトリックが秀逸です。

まだ読んだことのない方は、ぜひ読んでみてくださいね。

30位 異人たちの館 折原一

叙述トリックの名手が贈る「最高傑作」とも言われるミステリー小説です。

売れない作家島崎は、富士の樹海で行方不明になった男性の伝記を書くことを依頼されます。

そこでその男性を調査しているうちに奇妙な事件に巻き込まれることに。

折原さんの作品ということで、「叙述トリックだろう」と思いつつ読み進めるのですが、それでも騙されてしまうほどトリックが優れています。

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