ミステリー小説といえば、探偵のキャラクターの魅力もストーリーを盛り上げるポイントです。
そこで今回は、特にキャラクターが魅力的な探偵を15人ご紹介しましょう。
ミステリー小説選びの参考にしてみてくださいね。
「湯川学」 探偵ガリレオシリーズ 東野圭吾作
東野圭吾さんの人気ミステリー小説シリーズ「探偵ガリレオシリーズ」に登場するのが、探偵役の湯川学です。
湯川学は帝都大学物理学教授を務める天才物理学者で、友人で刑事の草薙に依頼され、超常現象のように見える難解なトリックの謎を暴いていきます。
容姿端麗ですが、偏屈な性格で私生活も謎に包まれています。
冷静で情に流されず、冷たい印象を持ちますが、時折優しい一面を見せることも。
ドラマ版では福山雅治さんが演じており、最近の作品では湯川学のキャラが、福山雅治さんの湯川学に似てきているという指摘も。
「御手洗潔」 御手洗潔シリーズ 島田荘司作
島田荘司さんの人気ミステリー小説シリーズ「御手洗潔シリーズ」に登場する探偵役が、御手洗潔です。
御手洗潔という名は、作者の島田荘司さんの少年時代のあだ名が由来なのだそうです。
御手洗潔は、シリーズ1作目の「占星術殺人事件」では、占星術師という肩書きでしたが、のちにこの設定は消えていき、現在は趣味で探偵をする脳科学者という肩書きになっています。
天才で変人ですが、ルックスが良くフェミニストの一面も。
IQは300以上あり地球上のほとんどの言語を操れます。
和製シャーロックホームズと称されることも。
ドラマ版では玉木宏さんが御手洗潔を演じました。
「シャーロックホームズ」 シャーロックホームズシリーズ コナン・ドイル 作
世界的に有名なコナン・ドイルのミステリー小説「シャーロック・ホームズシリーズ」の探偵役が、シャーロックホームズです。
体型は長身の痩せ型、ありとあらゆることに精通しており、その能力を探偵の仕事に生かしています。
もしシャーロックホームズが探偵ではなく犯罪にこの能力を利用していたら、大変なことになっていただろうとホームズ自身語っている場面もあります。
基本女性嫌いですが、「ライオンのたてがみ」の中ではモード・ベラミー嬢に興味を示す記述があります。
頭脳明晰で冷静沈着。
事件を解明するための行動力はかなりのものです。
「エルキュール・ポアロ」 名探偵ポアロシリーズ アガサ・クリスティー作
ミステリーの女王アガサ・クリスティーの人気ミステリー小説シリーズ「名探偵ポアロシリーズ」の探偵役がエルキュール・ポアロです。
もともとはベルギーの警察に勤めていましたが、イギリスに亡命後探偵として活躍するようになりました。
「灰色の脳細胞」を持つと言われるほど頭脳明晰、女性には非常に紳士的です。
小柄な体型で八の字型の口ひげがトレードマーク。
とてもおしゃれな人物として知られています。
潔癖症なほどのきれい好きです。
捜査の際は、容疑者の性格や心理状態を重視。
決定的な証拠を掴むまでは真相を漏らさないため、周囲をやきもきさせることも。
「片山刑事」 三毛猫ホームズシリーズ 赤川次郎作
赤川次郎さんの人気ミステリー小説シリーズ「三毛猫ホームズシリーズ」の探偵役が片山刑事です。
片山刑事は、警視庁捜査一課の刑事ながら血が苦手。
見た目も童顔で優しげでなで肩、アルコールにも弱いと、およそ刑事らしくありません。
29歳の痩せ型の長身で、女性恐怖症。
本人はモテないと思い込んでいますが、事件で関わった女性から想いを寄せられることが多いです。
父も刑事で殉職、母も他界しており妹と2人で暮らしています。
事件で出会った三毛猫ホームズと暮らしており、ホームズの行動を通じて事件を解決します。
「百瀬太郎」 猫弁シリーズ 大山淳子作
大山淳子さんの人気ミステリー小説「猫弁シリーズ」の探偵役が百瀬太郎です。
弁護士をしている心優しい人物ですが、風貌は冴えません。
とある事件がきっかけで猫を事務所に引き取るようになり、持ち込まれる事件も動物がらみのものばかりに。
常に10匹前後の猫が事務所で暮らしています。
東大卒の天才弁護士ですが、お見合いは30連敗中。
しかし太郎が会員だった結婚相談所の職員大福亜子さんとめでたく婚約しました。
両親がおらず、小さい頃の記憶のなかに住む母親が支え。
「沖野春彦」 化学探偵Mr.キュリーシリーズ 喜多喜久作
喜多喜久さんの人気ミステリー小説シリーズ「化学探偵Mr.キュリーシリーズ」の探偵役が沖野春彦です。
四宮大学理学部化学科の准教授を勤めており、数々の功績からなのしれた存在で、祖父がフランス人でキュリーという苗字だったためMr.キュリーという愛称で呼ばれています。
そんな沖野春彦は、大学のコンプライアンス委員などを引き受けたことで、大学内で巻き起こるトラブルに巻き込まれ、化学の知識を使ってそれらを解決するように。
ひねくれた性格ですが、優しい一面も。
物語が進むにつれ、大学職員の七瀬舞衣に好意を抱いていきます。
「榎本径」 防犯探偵榎本シリーズ 貴志祐介作
貴志祐介さんの人気ミステリー小説シリーズ「訪販探偵榎本シリーズ」の探偵役が榎本径です。
防犯ショップの店長ですが、裏では泥棒をしています。
密室トリックの謎を解く協力をしており、「解けない密室はない」と豪語。
自身は泥棒をするときに殺人は絶対に起こさないという信条を持っています。
性格は飄々としており冷静沈着。
ドラマでは大野智さんが演じていましたが、雰囲気にぴったりでした。
知的で「自分にはかなわない」と思わせられる女性が好みで、助手役の弁護士青砥純子もそのタイプです。
そんな純子は榎本のことを、「泥棒なのでは?」と疑っています。
「影山」 謎解きはディナーの後で 東川篤哉作
東川篤哉さんの人気ミステリー小説「謎解きはディナーの後で」の主人公麗子の陰で推理を担当するのが麗子の秘書の影山です。
スマートな体型と銀縁眼鏡で、感情を表に出すことはありませんが、麗子には辛辣な言葉を浴びせます。
あまりの暴言に麗子の怒りを買うこともしばしば。
それでも麗子は影山の推理力に頼らざるを得ず、影山を解雇できずにいます。
ほとんど現場に出向かず麗子の話だけで事件を解決してしまう、いわゆる安楽椅子探偵です。
「明智小五郎」 明智小五郎シリーズ 江戸川乱歩作
日本を代表するミステリー小説家江戸川乱歩の明智小五郎シリーズの探偵役が明智小五郎です。
今でこそ紳士然としたスーパーヒーローのイメージの強い明智小五郎ですが、初登場の「D坂の殺人事件」では、金田一耕助のようなイメージで服装などに気を配らない変人として描かれていました。
江戸川乱歩は、明智小五郎をシリーズ化する気は無かったようですが、思いの外評判が良かったためシリーズ化されることになったそう。
それに伴い少しずつキャラクターも変化をしていったようです。
「犀川創平」 S &Mシリーズ 森博嗣作
森博嗣さんの人気ミステリー小説シリーズ「S&Mシリーズ」の探偵役が、犀川創平です。
国立N大学建築学科の助教授をしており、1作目では32歳という設定でした。
自分に必要のないことや興味のないことには一切興味を示さない極端な性格です。
教え子で助手役の萌絵の父の愛弟子。普段は冷静沈着で、あまり人に興味のない印象ですが、小さい頃から知っている萌絵に対しては違った一面を見せます。
そして萌絵に振り回されつつ惹かれていく描写が、シリーズが進むごとに見られます。
「剣崎比留子」 屍人荘の殺人など 今村昌弘作
今村昌弘さんの人気ミステリー小説「屍人荘の殺人」の主人公葉村譲を助け、探偵役をするのが剣崎比留子です。
文学部の2回生で容姿端麗。実家は名家のお嬢様です。
その見た目に似合わずいくつもの難事件を解決してきた実績を持ちます。
言葉や動作が独特なところも特徴的。
屍人荘の殺人は続編が出版されており、今後もまだシリーズが続きそうです。
映画化された時は、浜辺美波さんが演じました。
葉村譲との仲がどうなっていくのかも、今後の見どころでしょう。
「杉村三郎」 杉村三郎シリーズ 宮部みゆき作
宮部みゆきさんの人気ミステリー小説シリーズ「杉村三郎シリーズ」の探偵役が杉村三郎です。
1作目では妻の父の会社今多コンツェルンに勤めていましたが、ある事件の責任を取り退社しその後妻と離婚。
私立探偵となりました。性格は温和で真面目。
結婚していた時も、家庭を大切にする良き夫、良き父でした。
しかし菜穂子との育ちや価値観の違いに気後れしていたところも。
その優しい性格から、困った人を放って置けず、事件の裏側まで踏み込んでしまうことも。
「金田一耕助」 金田一耕助シリーズ 横溝正史作
横溝正史さんの人気ミステリー小説シリーズ「金田一耕助シリーズ」の探偵役が金田一耕助です。
シリーズ初期の作品では、麻薬中毒だったという描写も。
容姿は痩せていて小柄。顔立ちは普通。
金田一耕助の年齢ははっきりとはしていませんが、青年から中年あたりをイメージしているのだそう。
トレードマークはモジャモジャな髪とフェルト帽と薄汚れた着物に下駄です。
飄々とした性格ですが、興味を持った事件に対しては真剣に向き合います。
推理方法は、人間関係から探っていく方式。
いたって現実的な捜査方法をとります。
なお情にもろく、意図的に犯人を見逃すことも。
「天久鷹央」 天久鷹央シリーズ 知念実希人作
知念実希人さんの人気ミステリー小説シリーズ「天久鷹央シリーズ」の探偵役が天久鷹央です。
一族で経営する病院の理事長の次女で、病院の副院長兼統括診断部長をしています。
アスペルガー症候群で、記憶力や知能などが超人的。
その能力を活かして様々な難事件を解決していきます。
アスペルガー症候群の特性から、空気が読めずに周囲を怒らせてしまうことも。
姉には恐怖心があり、兄ともソリが合わない。
男性には興味がなく、どちらかというと女性に興味があるような描写も。