ミステリー推理小説は、「謎解きばかりであまり面白くない」と感じる方もいるかもしれませんね。
そこでこの記事では、設定やストーリーが凝っていて、エンタメ要素のある面白いミステリー推理小説を30選ご紹介します。
1位 屍人荘の殺人 今村昌弘
葉村譲は、神紅大学ミステリー愛好会に所属している。
ミステリー愛好会会長の明智恭介に誘われ、同じ大学の剣崎比留子とともに映画研究会の夏合宿に潜入し、そこで連続殺人事件に巻き込まれる。
葉村たちの運命は?
奇想天外な設定と本格推理を融合した話題作。
壮大でありえないストーリーに驚かされますが、最後までハラハラドキドキして飽きさせません。
映画化もされており、エンタメ要素満載で、誰もが楽しめるミステリー推理小説です。
2位 探偵ガリレオ 東野圭吾
刑事の草薙は難解な事件に行き詰まり、物理学者の友人湯川に捜査協力を依頼する。
湯川は様々な事件のトリックを、物理学を駆使して鮮やかに解いてみせる。
エンタメミステリー推理小説といえば、東野圭吾さんが頭に浮かぶ方は多いのではないでしょうか。
その中でも、デレビドラマ化もされた「探偵ガリレオシリーズ」は、エンタメの極致とも言える作品です。
なかでも1作目は短編集ということもあり、サクサク読めて、ガリレオのキモであるあっと驚くトリックを堪能できますよ。
探偵役の湯川学のキャラクターも魅力的です。
3位 誰か Somebody 宮部みゆき
妻の父の会社、今多コンチェルンの広報室に勤務する杉村三郎は、ある日妻の父から、亡くなった専属運転手梶田信夫の娘の話を聞いてほしいと頼まれる。
その話とは、亡くなった梶田の本を作りたいというものだった。
梶田は自転車にはねられて亡くなったのだった。
杉村は、梶田の過去を探るうち、意外な事実を知る。
ドラマ化もされた宮部みゆきさんの人気シリーズの1作目です。
謎の推理だけでなく、人間模様も楽しめる作品です。
宮部みゆきさんらしい登場人物の細やかな心理描写が光ります。
ミステリー推理小説というだけでなく、エンタメ小説としても楽しめますよ。
4位 沈黙のパレード 東野圭吾
街で人気の娘が殺害され、その容疑者として捜査線上に浮かび上がったのは、草薙が担当した事件で無罪となった男性だった。
今回も証拠が見つからず、釈放も時間の問題だ。そこで草薙は湯川に助けを求める。
東野圭吾らしいエンタメ感の強いミステリー推理小説に仕上がっています。
ガリレオシリーズらしい緻密なトリックも見どころ。
湯川のキャラクターが、これまで以上に福山雅治が演じる湯川に寄っており、そんなところも魅力の一つです。
ドラマファンにはたまりませんね。
5位 マリオネットの罠 赤川次郎
父にガラス人形と呼ばれ、森の館に閉じ込められた少女と都会で起こった連続殺人事件。
この2つに何か関連性があるのか。犯人は一体誰なのか。
赤川次郎さんといえば、軽いタッチのミステリー推理小説という印象が強いですが、この作品は赤川次郎作品のイメージをひっくり返すダークな世界観の推理小説です。
でも赤川次郎さんらしいエンタメ要素やテンポの良い展開は健在。
ラストの衝撃が「これぞ推理小説!」という気持ちにさせてくれます。
6位 GOTH 僕の章 乙一
殺すものと殺されるものがいるとしたら、自分は殺す側だと思っている僕は、孤独を感じていた。
そんな僕は森野夜と出会って少しずつ変わっていく。僕が主人公の短編集。
「天才」と称される乙一の、エンタメ感の強いミステリー推理小説です。
「天才」の名を裏切らない驚きの展開と、読みやすい文章で最後まで飽きさせません。
短編集なので、サクサク読み進めることができますよ。ぜひ話題の乙一ワールドを堪能してみてくださいね。
7位 Nのために 湊かなえ
イニシャルがNの4人の男女が、高層マンションで起こったある殺人事件の関係者として浮かび上がる。
4人の証言からわかった意外な真実とは。
テレビドラマ化もされた人気作品です。
イヤミスの女王湊かなえのミステリー推理小説らしく、後味の悪い結末です。
推理だけでなく4人の恋愛模様も楽しめます。
ミステリー推理小説としてだけでなく、恋愛小説としても楽しめるエンタメ要素のある作品です。
8位 ジョーカー・ゲーム 柳 広司
舞台は戦時中の日本で陸軍が秘密裏に運営するスパイ養成学校D機関。
当時の日本の価値観とは真逆の、「死ぬな、殺すな、とらわれるな」を掟としてスパイを育て上げる結城中佐は、周囲の反感を買いつつ成果を上げていく。
スケールの大きなエンタメ感のあるミステリー推理小説で、推理だけでなく純粋にストーリーも楽しめます。
ちまたのスパイ映画よりもよくできたトリックに読者も翻弄されるでしょう。
騙されないように注意して読み進めても、やっぱり騙されてしまいます。
短編集なので、気軽に読めるところもポイントです。
9位 アリス殺し 小林 泰三
最近不思議の国のアリスの夢ばかり見る大学院生栗栖川亜理は、墜落死するハンプティ・ダンプティの夢を見たのち大学に足を運ぶ。
すると「たまご」とよばれる男性が屋上から落ちて亡くなっていた。
それからというもの、夢の中で起こったのと同じような殺人事件が身の回りに起こる。
夢の中では殺人事件の捜査が行われ、その容疑者はアリスだった。
不思議の国のアリスの世界観と、現実の事件を掛け合わせた新感覚のエンタメミステリー推理小説です。
最後まで「そうきたか」の連続でハラハラドキドキし続け、あっという間に読み終えてしまいます。
10位 陽気なギャングが地球を回す 伊坂幸太郎
失敗したことのない4人の天才的な能力を持つ銀行強盗たちが、なんと強盗した金を横取りされる。
取り戻そうと奮闘する4人の運命は。
「陽気なギャング」というタイトル通り、4人の銀行強盗たちのコメディータッチなやりとりが魅力のミステリー推理小説です。
展開が早くスカッと終わるので、読み終えた後に明るい気持ちになれます。
とにかく楽しいエンタメ作品です。
11位 猫弁天才百瀬とやっかいな依頼人たち 大山 淳子
天才弁護士百瀬太郎は、どことなくさえない雰囲気で、お見合いも30連敗。
事務所ではたくさんの猫を飼っており、「猫弁」と呼ばれている。
そんな猫弁は、事務所に持ち込まれる少し変わった依頼を解決していく。
TBS・講談社ドラマ原作大賞受賞作ということで、エンタメ要素の強いミステリー推理小説に仕上がっています。
猫弁もその周囲の登場人物もみな優しくいい人で、読み終えると優しい気持ちになれます。
殺人事件など派手な事件は起こりませんが、謎がどう解決されるのか気になって、次々ページをめくりたくなりますよ。
12位 カラスの親指 道尾秀介
詐欺で生計を立て、一緒に暮らす中年2人。そこに1人の少女がやってきて、その後さらに同居人が増えて5人と1匹での生活となる。
そんな5人はそれぞれの人生をかけた事件を計画する。
このミステリー推理小説は、映画化もされており、あっと驚くラストはエンタメ感抜群です。
推理よりも人間模様やストーリー展開を楽しめるミステリー推理小説です。
爽やかで感動的な読後感を味わえます。
13位 ロシア紅茶の謎 有栖川有栖
火村英生と有栖川有栖が難解な事件に挑む人気シリーズのなかの「国名シリーズ」の1作目。
有栖川有栖と火村英生のキャラが魅力的で人気を集めており、ドラマ化もされたミステリー推理小説です。
トリックはもちろん、2人の軽快な掛け合いも楽しめるなどエンタメ要素抜群。
短編集なので、あっと驚くトリックをじっくり堪能できますよ。
14位 アマテラスの暗号 伊勢谷 武
40年以上ぶりに父と再会する約束をしていた、元ゴールドマン・サックスの賢司は、再会の日に父がホテルで殺害されたと連絡を受ける。
父は歴史的な神社の宗家出身で、宮司を務めていた。
そのことと父の殺害には関連があるのか、賢司はゴールドサックスマン時代の友人たちと事件を解決しようとする。
壮大なスケールの歴史ミステリー推理小説。
都市伝説が好きな方や日本史が好きな方は、歴史エンタメ作品としても楽しめるでしょう。
小説の中の話なので、フィクションのはずなのですが、「実はこれが真実なのかも」と思わせられるほどロジカルな内容となっています。
15位 仮面病棟 知念実希人
速水秀悟が当直バイトをしている病院にピエロのお面をかぶった強盗犯が立てこもり、閉じ込められた状態に。
速水は脱出を試みるが…。
知念実希人さんのミステリー推理小説は、どれも読みやすく面白いものばかりです。
なかでも仮面病棟は、映画化されるぐらいエンタメ要素の強い作品。
病院の描写は、作者が現役の医師ということもあり臨場感たっぷり。
自分が事件にまきこまれたかのようにハラハラドキドキしてしまいます。
あちこちに伏線が隠されているので、その伏線から自分で犯人を推理してみるのも面白いかもしれません。
16位 ゴールデンスランバー 伊坂幸太郎
青柳雅春は、突然首相を殺した疑いをかけられ追われることに。
なぜこんなことになったのか。青柳の運命は?
物語のあちこちに伏線がばらまかれており、ラストに向かってそれらが回収されていく様は爽快感があります。
スケールの大きな話で、まさにエンタメ。
いい意味で伊坂幸太郎っぽさが薄く、伊坂節が苦手な方でも読みやすいでしょう。
17位 心霊探偵八雲1 赤い瞳は知っている 神永学
赤い瞳を持つ大学生斉藤八雲は、死者の魂を見ることができる。
そんな八雲が大学内で起こる事件を、その特殊能力を駆使して解決する。
スピリチュアルやホラーの要素が混じったミステリー推理小説です。
ライトノベルっぽさはありますが、読みやすく分かりやすい展開で読書に慣れていない方でも楽しめるでしょう。
登場人物のキャラクターが秀逸で、人間模様を楽しみつつ推理部分も楽しむことができるエンタメ作品となっています。
18位 日本殺人事件 山口 雅也
私立探偵トウキョー・サムは、ついにずっと憧れていた日本に降り立った。
異国の習慣になかなか馴染めないものの、真のサムライになりたい一心で奮闘する一方、彼の周りではさまざまなおかしな事件が巻き起こる。
このミステリー推理小説は、「日本のことを勘違いしたままの外国人が書いた本を、作者の山口さんが翻訳した」という設定です。
この設定だけでも「面白そう」と感じる方もいるのではないでしょうか。
ハラキリが未だ存在する間違いだらけの日本の中で巻き起こる、難解な事件。
こんなはちゃめちゃな設定ですが、推理部分はしっかり本格的。
普通の推理小説に飽きた方、推理小説が苦手な方などに読んでほしいエンタメ作品です。
19位 紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人 歌田年
紙の鑑定士をする主人公は、ある日「神探偵」と間違えられて事件を依頼される。
しかしプラモデル造形家の土生井の力を借り、それぞれの専門知識を利用して事件解決に挑む。
色々な推理小説に色々な職業の探偵役が登場しますが、紙鑑定士は見たことがないですし、なにより紙鑑定士という言葉自体耳慣れないですよね。
しかも相棒がプラモデル造形化。
そのため事件解決に結びつく知識も、これまであまり聞いたことのないものばかりで新鮮味があり、推理小説を読み慣れている方でも楽しめそうです。
こちらは文庫本も発売されており、単行本とは少し内容が異なります。
文庫本の方が完成度が高いので、これから読む方はそちらがおすすめです。
20位 キングを探せ 法月倫太郎
四重交換殺人を企む犯人たちと、それを捜査する法月警視&綸太郎。
犯人たちと法月たちの頭脳戦が始まる。
犯人と法月たちそれぞれの視点から事件が語られます。
謎解きに重きを置いた作品なので、推理小説ではシンプルに謎解きだけを楽しみたいという方に特におすすめのミステリー推理小説です。
ラストの着地が鮮やかで、「さすが!」と思わせられます。
21位 13階段 高野和明
死刑囚は、犯行時刻の記憶がなく冤罪の可能性があった。
そこで刑務官の南郷は、前科持ちの青年三上とともに調査を始める。
しかし手がかりはなかなか見つからない。
処刑までの時間はあとわずか。
2人は冤罪を晴らすことができるのか。
タイムリミットがあるためハラハラドキドキが倍増されるところにエンタメ感があります。
死刑執行制度の是非にもからむ重い内容ですが、押し付けがましくなく、最後まで一気に読み進められます。
ただ読み終えたあとには色々と考えさせられました。
22位 Another 綾辻行人
榊原恒一は、1998年の春に夜見山北中学に転校した。
しかしクラスの奇妙な雰囲気に違和感を持つように。
そんななかクラス委員長の桜木が死亡する。
クラスの中で何が起こっているのか、恒一は探り始めた。
上下巻に分かれた長編のミステリー推理小説ですが、それを感じさせず一気に読めてしまいます。
綾辻行人さんには珍しい作風ですが、綾辻さんらしい本格的な推理は健在。
ホラー特有のゾクゾク感と、本格推理の両方が楽しめるエンタメ作品です。
23位 ケーキ王子の名推理 七月隆文
女子高生未羽は、ケーキが大好き。
そんな未羽は、足を運んだケーキ屋で同じ高校の冷酷王子最上颯人がパティシエ修行をしているところに出くわす。
そんな2人がお菓子にまつわる知識で日常の小さなトラブルを解決していく。
スイーツやおしゃれなものがたくさん登場するので、中高生の女の子やスイーツ好きな方に特におすすめのミステリー推理小説です。
推理部分だけでなく、繊細なスイーツの描写も楽しめついつい甘いものが食べたくなりますよ。
ポップな仕上がりで、普段あまり本を読まない方でも気軽に手に取れそうです。
24位 悪魔の手毬唄 横溝正史
人気の「金田一耕助シリーズ」の一つ。山奥の村落・鬼首村では、村に伝わる手毬唄どおりに連続殺人が起こる。
その謎に金田一が挑む。
横溝作品らしいダークな雰囲気のミステリー推理小説。
トリックは古典的なものですが、ストーリーや横溝作品らしいおどろおどろしい世界観、時代背景など楽しめるポイントがたくさんあります。
また金田一耕助の飄々とした人となりも魅力。まだ読んだことがない方は、ぜひ一度読んでみてくださいね。
25位 イニシエーション・ラブ 乾くるみ
僕は人数合わせの合コン先でマユと出会った。
真面目で奥手な僕たちはやがて恋に落ちて…。
必ず2回読みたくなるという売り文句のミステリー推理小説。
内容はよくある恋愛小説ですが、読み進めていると小さな違和感を覚えます。
ラストで「え、そういうこと?」と違和感の正体が判明し、「やられた」という気持ちに。
まだ読んだことのない方は、ぜひ違和感の正体を確かめてみてくださいね。
26位 氷菓 米澤穂信
何事にも後ろ向きな奉太郎は、姉に命令され、入学した高校の古典部に入部させられる。
それがきっかけで33年前の事件を推理することになる。
学園ものなので、軽快な読み口で本を読むのが苦手な方でもとっつきやすいでしょう。
登場人物が魅力的に描かれており、物語に入り込みやすいところも魅力です。
謎解きはロジカルで読後感がすっきりしています。
27位 神様ゲーム 麻耶 雄嵩
ある町で起こった連続猫殺傷事件が起こり、芳雄が恋心を抱くミチルの愛猫も被害にあう。
そんな中犯人を言い当てる転校生の鈴木。
鈴木は自分が「神様」だというが、鈴木は本当に神様なのか。
子ども向けに書かれたミステリー推理小説ということで読みやすい文体ですが、最後の仕掛けは「本当に子ども向けなの?」と感じるほど麻耶さんらしさ全開です。
このオチを果たして子どもは理解できるのか…。子どもにすすめる前に、まずは大人が読んで確かめてみてください。
28位 夜のピクニック 恩田陸
高校の最後の行事「歩行夜」。
貴子はある決意を持ってこの行事に挑む。
貴子と友人たちの思い出話から、貴子の隠された決意に迫っていく。
高校生の頃のみずみずしい気持ちを思い出し、甘酸っぱい気持ちになれる推理小説です。
読後感はいたって爽やか。
青春エンタメ作品としても楽しめます。
後味の悪いミステリー推理小説が苦手な方も、安心して手にとってくださいね。
また恩田作品特有のクセが少ないので、いわゆる恩田節が苦手な方もとっつきやすいですよ。
29位 しゃばげ 畠中 恵
江戸有数の薬種問屋の一人息子一太郎は、体は弱いが優しい性格で周囲から愛されている。
そんな一太郎は、妖怪たちの力を借りて江戸の町で起きる事件を解決していく。
時代小説とファンタジーとミステリー推理小説の融合という、これまでみたことのない設定のエンタメ作品です。
優しい世界で行われる謎解きは、ほっこり温かい気持ちにさせられます。
時代小説が苦手な方も、きっと楽しめますよ。
30位 退出ゲーム 初野晴
「ハルチカシリーズ」の1作目。
とある高校の、弱小吹奏楽部が舞台。
幼なじみコンビチカとハルタは、学園で巻き起こる様々な謎に挑む。
登場人物のキャラが立っており、謎解き部分だけでなく人間模様も楽しめます。
謎解きとともに仲間が増えていく様子も見もの。
今高校生の方は、どっぷり感情移入できそうなミステリー推理小説です。