世の中には多くのミステリー推理小説を書く作家がおり、それぞれ作風に特徴があります。
「ミステリー推理小説を読みたいけど、何を読めばいいかわからない」という方は、作家の作風から選ぶのもおすすめです。
そこで今回は、さまざまな媒体の好きなミステリー・推理小説家ランキングを参考に、ランキング形式で30人ご紹介しましょう。
1位 江戸川乱歩
日本の代表的なミステリー推理小説家である江戸川乱歩。
推理小説を文学の一つのジャンルとして確立させ、日本の推理小説の礎となったとされています。
今でも絶大な人気を誇り、好きなミステリー推理小説作家ランキングでも必ず上位に名前が上がるほど。
深い洞察力や文学的表現が持ち味で、なんとなくおどろおどろしい雰囲気の作品が多い印象です。
2位 横溝 正史
乱歩と並ぶ日本のミステリー推理小説の巨匠。
実は一時期人気が低迷していたこともありますが、角川の映画化により人気再燃。
代表作の一つ「金田一耕助シリーズ」は、日本一有名な探偵といっても過言ではありません。
トリックを重視したミステリー推理小説を数多く世に送り出しており、おどろおどろしい世界観が、今でも多くの人を魅了し続けています。
江戸川乱歩と横溝正史。
日本ミステリー界のパイオニアがトップに来ました。
もはや古典ということで各作品の紹介は省略しますが、二人の名作をモチーフにしたメタミステリーも話題となっています。
変則的な構造ですが、個人的に、この著者は過去作もお気に入りで、応援している作家さんの一人です。
3位 東野圭吾
さまざまなランキングで必ず上位に名前が挙がるのが、東野圭吾さん。
男女年齢問わず幅広く支持されるミステリー推理小説作家です。
大阪府立大学工学部出身のためか、科学を基にした作品が多いです。
初期はあっと驚くトリックに重きを置いた作品、最近は社会派推理小説と時期によって作風が異なりますが、多くの作品に共通するのが、展開の早いストーリーとスッキリとした読後感。
代表作は、初ヒット作の「秘密」、大ヒットドラマの原作「探偵ガリレオ」など。
4位 宮部みゆき
宮部みゆきさんは、とくに女性に人気のある作家です。
ミステリー推理小説だけでなく、時代物やファンタジーなど幅広い作風が特徴。
宮部みゆきさんのミステリー推理小説は、トリックに重きをおくのではなく、登場人物の心情を丁寧に描いていくところが特徴です。
人間ドラマを楽しみたい方にとくにおすすめ。
代表作は、中居正広さん主演でドラマ化された「模倣犯」、直木賞を受賞した「理由」など。
5位 サー・アーサー・コナン・ドイル
代表作は、今でも世界中で読み継がれる名作「シャーロックホームズシリーズ」。
日本でも大人気ですね。
コナン・ドイルはイギリスを代表とする作家で、医師としても活躍していました。
ホームズのモデルは、自身が医学部に在学中の恩師ジョセフ・ベル教授だと言われています。
推理小説家というイメージが強いコナン・ドイルですが、本当は歴史小説家として名を残したかったのだそう。
歴史小説を書くもなかなか認められず、小遣い稼ぎに書いたシャーロックホームズが大ヒット。
そのせいでなかなか歴史小説を書かせてもらえなくなったのだとか。
6位 アガサ・クリスティー
ミステリーの女王として、長年世界中で愛され続けるアガサ・クリスティー。
ミステリー推理小説作家人気ランキングでも、未だ上位に名前が挙がる作家です。
日本でもアガサ・クリスティーの作品はいつの時代も読み継がれています。
あっと驚くような仕掛けが持ち味で、中でも代表作でもあり、叙述トリックの先駆けといっても良い作品「アクロイド殺し」は、当時あまりの衝撃に「フェアか、アンフェアか」と論争を巻き起こしました。
「そして誰もいなくなった」「オリエント急行の殺人」など、どの小説も今読んでも「素晴らしい」と感じるものばかりです。
7位 エドガー・アラン・ポー
江戸川乱歩の名前の由来となった人物としても有名です。
ミステリー推理小説だけでなく、詩や文芸批評、SF、ユーモアなど幅広いジャンルで活躍しています。
代表作は「モルグ街の殺人事件」で、この作品が推理小説の始まりだとされ、「推理小説の父」と言われることも。
恐怖や死を感じさせる作品が多いのが特徴です。
8位 赤川次郎
日本のミステリー推理小説家の中でも大御所とされるうちの一人。
ミステリー推理小説が好きな方なら、誰もが一度は読んだことがあるのではないでしょうか。
登場人物が個性的で、ユーモアのある作風が特徴。
読みやすい文体は、「ライトノベル」と揶揄されることもありますが、驚かされる結末のものが多く内容は本格的。
推理小説初心者にもおすすめです。
代表作に、「三毛猫ホームズシリーズ」などがあります。
9位 辻村深月
辻村深月さんは、山梨県出身のミステリー推理小説作家です。
辻村深月というのはペンネームで、「辻」という文字を入れたのは、尊敬するミステリー推理小説作家、綾辻行人さんが由来なのだそう。
学園ミステリーを中心に書いていましたが、最近は大人の女性の葛藤や家族を題材にしたものが多い印象です。
どの作品にも共通するのが、繊細な心理描写で、女性に特に人気があります。
代表作は、2018年に本屋大賞を受賞した「かがみの孤城」など。
10位 森博嗣
森博嗣さんは、小説家でありながら工学博士もしているという変わり種。
こうした経歴を生かし、理系の知識を駆使したミステリー推理小説をたくさん世に送り出しています。
ロジックや文章が論理的なところも特徴です。
理系の方は特に楽しめるのではないでしょうか。
代表作は、ドラマ化もされた「すべてがFになる」でもおなじみの「S &Mシリーズ」です。
11位 綾辻行人
日本を代表するミステリー推理小説家の一人。
代表作でもある「館シリーズ」には多くのファンがいます。
今でも「最高傑作」と賞賛されることが多い「十角館の殺人」は、なんとデビュー作なのだそう。
物理的なトリックよりも叙述トリックを駆使した作品が多く、どんでん返し系ミステリー推理小説を得意としています。
12位 有栖川有栖
1989年に「月光ゲーム」でデビュー。
代表作である「作家アリスシリーズ」は、テレビドラマ化もされた人気シリーズです。
緻密なロジックを組み立て、ラストでひっくり返す計算され尽くした構成と、トリックだけじゃなく物語でも魅せるところが特徴。
世代問わず多くの方に人気のあるミステリー推理小説作家です。
13位 伊坂幸太郎
奇抜なストーリーと、風変わりな登場人物が織りなす疾走感溢れるストーリー展開が持ち味。
物語の中に多くの伏線が張り巡らされ、ラストに向けて一気にそれらが回収されるところが「爽快感がある」と賞賛されています。
代表作は「ゴールデンスランバー」など。
14位 島田 荘司
島田荘司さんのミステリー推理小説は、多様なトリックが持ち味で、「ゴッド・オブ・ミステリー」と呼ばれることも。
代表作は、テレビドラマ化もされた「御手洗潔シリーズ」など。
なかでも「占星術殺人事件」はトリックが優れており、日本のミステリー推理小説の「新しい古典」といわれることも。
15位 内田康夫
内田 康夫さんは、旅情ミステリー推理小説作家の一人として知られています。
作品には日本のさまざまな地域が登場し、詳細な描写は、その土地の風景が目に浮かぶよう。
旅行気分を味わいたいときにもおすすめです。
代表作は、ドラマ化もされた「浅見光彦シリーズ」など。
16位 誉田哲也
誉田哲也さんは、代表作「ストロベリーナイト」のイメージが強く、ミステリー推理小説作家のイメージが強いですが、青春小説も多く書いています。
ミステリー推理小説は、初期はホラーものが多かったのですが、ストロベリーナイト以降は刑事ものを多く手がけるようになりました。
登場人物が亡くなることが多いのも特徴です。
刑事もののミステリー推理小説が好きな方に特におすすめです。
17位 横山秀夫
もともとは新聞記者、フリーライターをしていましたが、1998年に「陰の季節」が松本清張賞を受賞したことから作家デビューを果たしました。
ミステリー推理小説は、斬新な設定の刑事ものが多いのが特徴です。
斬新な刑事ものを読みたい方におすすめです。
代表作は「クライマーズ・ハイ」など。
18位 湊かなえ
「イヤミスの女王」として名をはせるミステリー推理小説作家で、後味の悪い作風が特徴です。
多くの作品が映像化されているため、読んだことはなくてもドラマなどを見て湊かなえさんの作品に触れたことのある方は多いのではないでしょうか。
後味の悪いダークなミステリー推理小説が好きな方に特におすすめです。
代表作は「告白」など。
19位 松本清張
トリックではなく、犯罪の背後に隠された社会の問題に重きを置いた作風が特徴で、社会派推理小説の第一人者と言われています。
ミステリー推理小説だけでなく、時代小説やノンフィクションなど幅広い分野で活躍した作家です。
骨太な社会派作品が読みたい方におすすめです。
20位 ダン・ブラウン
英語教師から作家に転身し、代表作「ダ・ヴィンチ・コード」が世界中でベストセラーに。
この作品は映画化もされました。
父が数学者、母が宗教音楽家、妻が美術史研究者という背景からか、歴史、芸術、宗教をストーリーの核に据えたスケールの大きなミステリー推理小説を多く手がけています。
壮大な設定のストーリーが好きな方に特におすすめです。
21位 今村昌弘
期待の若手ミステリー推理小説家として注目を集める一人。
大学卒業後は放射線技師として働いていたそうです。
2017年のデビュー作「屍人荘の殺人」が多くの賞を受賞し、一躍時の人に。
奇想天外なのに本格ミステリーというこれまでにない設定が多くの人を魅了しています。
デビュー作で代表作の「屍人荘の殺人」は、シリーズ化されています。
22位 米澤穂信
米澤穂信さんは、青春ミステリー推理小説、イヤミスなど、幅広い作風のミステリー推理小説で人気を集める作家です。
また日常に潜む謎を題材とするミステリー推理小説を得意としており、時折挟まれるコミカルなシーンも魅力。
代表作はデビュー作でもある「氷菓」など。
23位 柚月裕子
柚月裕子さんは、ハードボイルドタッチのミステリー推理小説が多く、骨太の男性を書かせると天下一品と言われています。
これは子どもの頃にヤクザ映画が大好きだったことが影響しているのかもしれません。
男性が主人公の作品が読みたい方に特におすすめです。
代表作は映画化もされた「孤狼の血」など。
24位 中山七里
「どんでんがえしの帝王」と言われるほど、ラストで全てが覆るストーリーのミステリー推理小説が多いのが特徴です。
明るく爽やかなテイストから、ダークでシリアスなテイストまで作風はさまざま。
どんでん返し系が好きな方にとっては欠かせないミステリー推理小説作家でしょう。
代表作は「御子柴礼司シリーズ」など。
25位 道尾秀介
ダークなミステリー推理小説を多く輩出する道尾秀介さんは、伏線をちりばめつつ最後に全てをひっくり返す手法が特徴的。
読んだ後の「騙された」という感覚にハマっているという方は多いのではないでしょうか。
代表作は、「カラスの親指 by rule of CROW’s thumb」など。
26位 西村京太郎
国家公務員、トラック運転手、私立探偵などをしながらミステリー推理小説を書き、1963年にデビュー。
盛大な設定と切れ味の良いトリックが特徴。
代表作でもある「十津川警部補シリーズ」で旅情ミステリーの新しい世界を開拓したとされています。
旅行気分を味わいたい方におすすめです。
27位 貴志祐介
ダークな雰囲気のミステリー推理小説を多く手がける貴志祐介さんは、人間の心の闇を描かせると天下一品。
ダークで重いミステリー推理小説を読みたい方に特におすすめです。代表作は映画化もされた「悪の教典」など。
28位 歌野晶午
普通、年齢とともにトリックのアイディアが浮かばなくなると言いますが、歌野昌午さんの凄さは、年々トリックの凄みが増しているところにあります。
中でも代表作でもある「葉桜の季節に君を想うということ」は、ミステリー推理小説ファンの間でもそのトリックの壮大さが話題となりました。
斬新なトリックを楽しみたい方に特におすすめです。
29位 知念実希人
医師として勤務しつつ小説も執筆しており、病院を舞台とするミステリー推理小説が多いのが特徴です。
スピード感のある展開で、一気に読めてしまいます。
読みやすい作品が多いので、普段あまり本を読まない方にもおすすめです。
代表作は「天久鷹央の推理カルテシリーズ」など
30位 東川篤哉
軽いタッチでユーモアを交えた作風が魅力。
映像化されている作品もたくさんあります。
短編が多くわかりやすい文章なので、推理小説初心者や、中高生に特におすすめです。
代表作はドラマ化もされた「謎解きはディナーの後で」など。