推理小説を主に読むミステリーファンの感想メモ

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社会派ミステリー推理小説おすすめランキング30

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社会派ミステリーに絞って厳選した推理小説ランキングです。

第1位 理由 宮部みゆき


社会派ミステリーというジャンルは一般的にストーリーに冷徹な視点からの容赦ない現実を盛り込む必要があるため、読書としてはとても有意義な反面、辛い気持ちになることもあります。
宮部みゆきといえば、陰惨な話の中にも必ず温かな目線を入れる手腕に定評がありますが、そんな彼女の「理由」は社会派ミステリーとしてもエンターテイメントとしても超一級の作品に仕上がっています。
一家四人惨殺事件が発生し、被害者の中年男女と老女、そして若い男の身元を調べたところ、最初は家族と思われた四人が実は赤の他人でした。
この不可解な事件の謎にドキュメンタリーの手法を使った物語はぴったりで読者は確実にひきこまれ、闇の奥にいざなわれます。

第2位 臨床法医学者・真壁天 高野結史


個人的に最近最も衝撃を受けた作品。「臨床法医学者・真壁天」は虐待や家族の問題を正面から扱いながら重くならず、ミステリーとしても驚かせてくれる傑作。
臨床法医という従来の法医学者とは異なる職業をモチーフにしているのも新鮮でした。
死者ではなく、生きている子供の虐待の痕跡を鑑定する臨床法医の仕事を押し付けられた真壁。研究に没頭したい真壁は嫌々ながらも鋭い洞察力で、虐待する親の罪を次々と暴きます。しかし、真壁が虐待を立証した相手が次々と首吊り死体で見つかり、事態は意外な結末を迎えます。
「衝撃のラストに涙する」の惹句どおり、ラストのどんでん返しで世界がひっくり返り、読み終わった後もしばらく放心状態でした。

第3位 少女葬 櫛木理宇


貧困問題というと、不況によるリストラなどによるホームレスの増加が思い浮かびますが、この「少女葬」は子どもの貧困問題に焦点を当てた物語です。
生まれた家庭が経済的にも精神的にも劣悪であったため、生き延びるために家出をし、逃げ込んだシェアハウスで出会う2人の少女の物語です。
読書とは登場人物の気持ちになり替わることで疑似体験をすることであると思いますが、本書で登場する少女たちに降りかかる災厄はあまりに壮絶で、残酷であり、読後、暗い穴の奥底に落ちること間違いありませんので、大人向けの社会派ミステリーと言えます。

第4位  震える牛  相場英雄

食品業界の深い闇をテーマにした社会派ミステリーですが、良質な刑事小説です。
エンタテイメントの中に社会問題を上手に落とし込んでいることが、本書をただ面白いだけではなく、深く厚みのある内容にしています。
警視庁捜査一課継続捜査班の田川刑事は、発生から二年が経ち未解決となっている居酒屋強盗殺人事件の再捜査を命じられます。

手がかりの少ないこの事件に対して田川刑事は足を使った粘り強い捜査法で新たな犯人の目撃情報を掴みます。
それは初動捜査では絞り込まれていた犯人像とは異なり、そこから、捜査は予想外の展開を迎え、まさに日本が抱える商品業界の構造的な問題に直面します。

第5位  廃用身  久坂部羊

廃用身とは、脳梗塞が原因で身体が麻痺で動かなくなり、回復が見込めない手足のことを言います。
動かなくなった四肢を切断するという悪魔のような発想から生まれた治療法を採用する医師である漆原。
それを追いかけるマスコミという構図で物語は進み、やがて日本が抱える老人介護問題に深く切り込んでいきます。
グロテスクな描写が多く衝撃的なストーリーですが、まさに社会派ミステリーの金字塔です。

第6位  飢餓海峡  水上勉

「不朽の名作」という表現がありますが、社会派ミステリーという推理小説のジャンルは本来、社会問題を物語の中に落とし込む手法ということから、時間が経ちすぎると現代の新しい社会派ミステリーに対して分が悪いのではないでしょうか。

しかし、この「飢餓海峡は」は発売が1963年と古いですが、いまも色褪せることない面白さで、やはり社会派ミステリーの秀作を選ぶときに外すことのできない不朽の名作と呼べます。

青函連絡船の海難事故が起こり、多くの遺体が発見されますが、その中に乗客名簿に名前のない謎の遺体が2つ発見されます。

この2つの死体に殺人の疑惑を持った警察は何らかの関与があると見て、犬飼多吉という男を探しますが、犬飼から親切を受けた杉戸八重という売春を生業にする女性が嘘の証言をしたため、警察の捜査は行き詰ってしまいます。

第7位  空飛ぶタイヤ  池井戸潤

この「空飛ぶタイヤ」は大胆なトリックや連続殺人が起こったり、探偵が出てくるというわけでなく、どんでん返しミステリーを求める人にはおすすめできませんが、巨大企業と戦う「容疑者」扱いされた弱小運送会社という構図から広義の社会派ミステリー小説といえるのではないでしょうか。

走行中のトレーラーから外れたタイヤが通りがかりの母子を直撃するという不幸な事故が起こります。
タイヤが飛んだ原因は弱小運送業者の「整備不良」ではないと信じる人たちの真実を探す戦いが始まります。

第8位  Aではない君と 薬丸岳

社会派ミステリーの中には少年法をテーマにした傑作が何点かありますが、どれか一つを選べと言われたらこの「Aではない君と」だと思います。
吉永のもとに、元妻が引き取った息子の翼が死体遺棄容疑で逮捕されたという一報がはいり、彼は警察に呼ばれます。
しかし、容疑者である息子の翼は弁護士に何も話さないため、事件の詳細がわからず、吉永の混迷は深くなるばかりです。
そこで、吉永は少年法十条に保護者自らが弁護士に代わって話を聞ける「付添人制度」があることを知り、それを使い、息子と対面することを願います。

第9位  絶叫  葉真中顕

社会派ミステリー、「絶叫」のあらすじは単純に言いますと、鈴木陽子という1人の女性の転落していく人生を描いた作品なのですが、その中に現代日本が抱える社会問題である毒親、ブラック企業、DV、保険金詐欺などが盛り込まれています。

しかし、これだけ盛り込まれていても情報過多で消化不良な部分も、説明が冗長な部分もなく、非常に先が気になる一級のエンタテイメント小説となっています。

ある日、鈴木陽子という女性が孤独死しているのが発見されました。その鈴木陽子の死を調べることとなった刑事である綾乃は陽子が結婚していた相手が何人も亡くなっている事実を見つけます。

第10位  火車  宮部みゆき

ひとりの女性の半生を遡ることで日本社会の闇の深さに震撼するという点では葉真中顕の「絶叫」と初期設定は似ている部分がありますが、こちらはクレジットカード破産をテーマにした社会派ミステリーです。

本書は発売がバブル崩壊直後の1992年と古いのですが、現代においても全く色褪せることがありません。

30年を経たいま、アフターコロナバブルという不気味な名称すら生まれ、株式市場だけは異常な好景気を迎え、クレジットカードの普及が進み、老人も若者も全ての人が使うようになったクレジットカードの怖さを知るための良書であります。

休職中の刑事、本間俊介は親戚の男性に頼まれて彼の婚約者、関根彰子の行方を捜すことになりました。
なぜ、彰子は自らの意思で失踪する必要があったのかを調べるうちに、本間はクレジットカードの問題に行き当たります。

第11位  13階段  高野和明

この「13階段」は死刑制度をテーマにした社会派ミステリーですが、エンタテイメント度が高く、物語のテンポがよく、ラストまで何度も驚かされます。

タイトルである「13階段」は処刑台を表しています。
戦後の処刑台は階段が13あり、そこからきていますが、現在も処刑台が13段あるかは不明であり、死刑という意味で使われる事があります。

三上純一はケンカのはずみで人を殺してしまい傷害致死で2年間服役した後、仮釈放しますが、そんな彼を刑務所にいた頃に知り合った刑務官、南郷正二が訪ねてきます。

彼の訪問の理由は一緒に弁護士事務所の手伝いをしないかというものでした。手伝いの内容は。三ヵ月の間にある死刑囚の無実を証明するという難しいものでしたが、成功報酬は一千万円と高額です。

第12位  雪冤  大門剛明

とても有名な作品というわけではありませんが、死刑制度と冤罪を扱った社会派ミステリーの傑作です。
平成5年、京都で殺人事件が起こり、あおぞら合唱団に所属する長尾靖之と沢井恵美の2人が殺されます。
殺害方法は刃物による刺殺ですが、恵美は百か所以上もの刺し傷があるというとても残酷なものでした。
容疑者として逮捕されたのは2人が所属する合唱団の指揮者の八木沼慎一でした。
慎一は容疑を完全否認するも死刑が確定してします。
ところが、それから15年後、慎一の手記が公開されたあと、自分は共犯者であり、真犯人が別にいるという告白する謎の人物「メロス」が現れます。

第13位  死神の浮力  伊坂幸太郎

伊坂幸太郎はミステリー界ではもはや大御所と言える存在で、コミカルなセリフ回しでオシャレな作風の作家というイメージを持っている人が多いのではないでしょうか。

ところが彼の真骨頂は現代日本が抱える社会問題をミステリー小説の中に落とし込んで最高のエンタテイメント小説に仕上げる点にあると思います。

この「死神の浮力」では明らかに娘を殺した犯人でありながら無罪となった男に復讐を誓う両親の物語です。
こちらの小説はシリーズ物の第二作目で、一作目で活躍した死神のチバも大活躍します。

第14位  うつくしい子ども  石田衣良

石田衣良は「池袋ゲートパーク」シリーズで有名で、恋愛小説を多く書いていますが、社会問題を落とし込んだミステリー小説を書く名手でもあります。

この「うつくしい子ども」では少年犯罪をテーマにしています。
9歳の女の子が猟奇的に殺されるという世間を震撼させる事件が起こりますが、なんと容疑者は主人公「ぼく」の13歳の弟のカズシでした。
弟の心を解明しようとする14歳の兄の孤独な闘いが始まります。

第15位  がん消滅の罠 完全寛解の謎  岩木一麻

現代においてガンはもう治すことができる病気という認識ですが、それでもやはり日本人の死因第一位の難病です。
そのガンと生命保険をテーマに書かれた社会派ミステリーの傑作です。

日本がんセンター呼吸器内科の医師である夏目は、生命保険会社より、自分が余命半年の宣告をしたがん患者が、リビングニーズ特約で生前給付金三千万円を受け取った後も生存しており、しかも、その後にガンが消え去っているという事実を告げられます。

第16位  乱反射  貫井徳郎

この「乱反射」は社会派ミステリーの傑作でありますが、テーマは何かと問われると絶対的にコレと言えるものがないのですが、しいて言うならば「モラル」でしょうか。

「モラル」の問題から逃れることができる人はいないと言え、そういう意味で言うと全ての人が当事者である社会問題を扱ったミステリー小説です。

ある日、ひとりの幼児が亡くなりますが、その原因は本当に防ぐことができない事故だったのでしょうか。

街路樹伐採の反対運動を起こす主婦、使命感のないアルバイト医、救急外来のルールを守らない患者、典型的なお役所仕事をする市役所職員、それぞれのモラルの欠如がつながって災厄を生み出すさまが圧巻です

第17位  一応の推定  広川純

生命保険制度や自殺、臓器移植と言った社会問題をテーマに続きが気になるリーダビリティの高い推理小説です。

タイトルの一応の推定というのは保険業界の用語で、自殺の場合は保険金を支払わなくてもよいという免責事項のある保険を契約した場合に、契約者が亡くなった状況から自殺と断定することができなくても、状況証拠が十分であれば、一応は自殺と推定されるという理由で保険金が支払われないことだそうです。

保険会社のベテラン調査員である村越は駅で轢死した老人の事件の保険調査を依頼されます。

村越は、老人の生前の生活状況を調査しますが、老人の経営する工場は倒産寸前であり、また彼の愛しい孫娘は重篤な心臓病のため海外で移植手術を受けるしか助かる道はないという過酷な状況であり、事件は自殺が疑われるものでした。

第18位  さまよう刃  東野圭吾

日本推理小説界のトップランナーといえる東野圭吾が少年犯罪をテーマに選ぶ渾身の力で書き上げた傑作です。

長峰の一人娘・絵摩は花火大会の帰りに、未成年の少年グループによって蹂躪された末に殺されて、川に遺棄されます。
悲しみの極みにいた長峰ですが、かかってきた一本の密告電話によって犯人を知ります。
犯人は未成年でありましたが、長峰は躊躇することなく、殺害による復讐を選び、犯人を探すため動き出します。

第19位  感染  仙川環

医療問題をテーマにした社会派ミステリーです。著者の仙川環は医学ジャーナリストなので、リアリティが素晴らしく、またストーリーも疾走感があり、一気読みしてしまう傑作です。

ウィルスを研究している研究医の仲沢葉月は、ある晩、夫・啓介と前妻との間の子が誘拐されたという連絡を受けます。

事件は幼子が焼死体で発見されるという最悪となったのですが、そんなときに、啓介は女からの呼び出しに応えて、出かけていったきり音信不通となってしまいます。

第20位  繋がれた明日  真保裕一

一度、犯罪を犯して刑務所に入った人間は、刑期を終えた後も一生、罪を背負って日陰で生きなければならないのか、一般人のように幸せを求めることはできないのかという問題に切り込んだ社会派ミステリー小説です。

主人公の中道隆太は、19歳のときに自分の恋人につきまとう男を、喧嘩のはずみで殺してしまいます。
その後、26歳で少年刑務所を出た隆太ですが、世間から注がれる視線は厳しいものです。

自分の閉ざされた未来と失われた命に対する懺悔の念に揺れ動く主人公のリアルな心情がまさに身に染みる犯罪の加害者側の視点から描く社会派ミステリーの傑作です

第21位  希望が死んだ夜に 天祢涼

子どもの貧困という世間から隠されがちな問題に切り込んだ社会派のミステリーです。
14歳の女子中学生・冬野ネガは同級生の春日井のぞみの殺害容疑で逮捕されます。
冬野は殺害を認めますが、動機については黙秘します。
刑事の真壁と仲田のコンビは捜査を進めるうちに、冬野も春日井も貧困に苦しんでいたという事実を知ります。

第22位  破裂  久坂部羊

著者の久坂部羊は医者でもあり、その著書はリアリティの高さに定評があります。
「破裂」はその著書が見てきた医学界の問題をテーマにした社会派ミステリーです。

元新聞記者の松野は過失による患者の死に平然とする医師たちに怒りを抑えることができません。
その松野が出会う典型的なエリート助教授・香村はある日、医療過誤で枝里子に訴えを起こされます。
そこに医療過誤を内部告発しようとする若き麻酔科医・江崎も加わり物語は展開します。

第23位  護られなかった者たちへ  中山七里

どんでん返しミステリーで人気の中山七里が生活保護の現状と問題点を描き、日本の社会保障システムの深い闇に切り込みます。

「護られなかった者たちへ」は壮大なトリックや意外な犯人を求めて推理小説を手に取る人には不向きかもしれませんが、日本に根深く残る学歴差別、貧困問題、格差社会というまさに今、現代日本が抱える問題をエンタテイメント小説として昇華させた傑作です。

仙台市の保健福祉事務所課長と県議会議員が無残な方法で殺されます。
それと同時進行で一人の模範囚が出所しているのですが、刑事は彼に不審な点を感じ取ります。

第24位  螺旋の手術室  知念実希人

医者でもある著者が描くリアリティ満点の社会派医療ミステリーです。
純正会医科大学附属病院の教授選の候補だった冴木真也准教授が、手術中に不可解な死を遂げます。
その後、彼と教授の座を争っていた医師も暴行事件に巻き込まれて殺害されてします。
父親である真也の死に疑問を感じた同じく医者である裕也は事件の真相を求めて調査を始めます。

第25位  症例A  多島斗志之

精神医学の世界において、異常と正常の差は何なのかという難しいテーマに挑んだ社会派ミステリーの傑作です。

精神科医の榊の患者である17歳の少女・亜左美は敏感に周囲の人間関係を読み取り、周りの人間の心理を滅茶苦茶に混乱させるという特殊な能力を持っていた。

榊は「境界例」との疑いを強め、厳しい姿勢で対処しようと決めますが、女性臨床心理士・広瀬は「解離性同一性障害」ではないかと疑います。
対立する2人ですが、そんな状況の中、予想外の事実が判明します。

第26位  望み  雫井脩介

少年犯罪を題材した社会派のサスペンス小説です。

石川一登・貴代美夫妻は高校生の息子と中学生の娘といっしょに平穏に暮らしていましたが、ある日、息子の規士が帰宅せず失踪してしまいます。

警察に届けた直後、規士の友人が殺害される事件が起き、逃走中の少年は2人という情報がニュースで流されます。
行方不明者は3人ということは、息子は犯人か被害者ということになり、夫婦はとてつもなく厳しい試練に晒されます。

第27位  天使の傷痕  西村京太郎

西村京太郎は大変な多作で今の若い読者の認識だと十津川警部シリーズを代表とするトラベルミステリーで有名な推理小説作家というイメージかもしれません。

しかし、西村京太郎は初期は優れた社会派ミステリーをたくさん書いており、中でもこの「天使の傷痕」はネタバレになるので言えないのですが、当時の社会問題を鋭い視線で物語の中に入れ込んで一級の社会派ミステリーとなっています。

雑木林で殺人事件が発生し、被害者の男性は意味不明の「テン」と言い残して息を引き取りました。
偶然に事件に遭遇した新聞記者の田島は事件を探り始め、「テン」は天使のことらしいと気づきます。

第28位  チーム・バチスタの栄光  海堂尊

本書はテレビドラマ化されて、キャラクターの造詣がキャッチーであり、登場人物の会話もコメディタッチであることから軽い医療ミステリ―だと思っている人もいるかと思いますが、実は内容は現代の日本医学会が抱える闇の部分に鋭く光を当てている社会派ミステリーであります。

心臓移植の代替手術である「バチスタ手術」専門の天才外科チームで原因不明の連続術中死が発生します。
不定愁訴外来の田口医師は、病院長に命じられて、厚生労働省の変わり者で有名な白鳥圭輔と組まされて、内部調査をすることになりました。

第29位  テミスの剣  中山七里

司法の闇というテーマに挑んだ社会派ミステリーの傑作です。
不動産業者殺しの容疑で逮捕された青年は強引な取調べで自白した結果、死刑判決を受け、失意の中、自殺を遂げました。

しかしその5年後、刑事である渡瀬は真犯人がいたことを知り、捜査を開始しますが、隠蔽を図る警察組織の激しい妨害を受けます。

第30位  ロスト・ケア  葉真中顕

超高齢化社会を迎えた日本が逃れることができない「介護」に関わる深く暗い問題をテーマにした社会派ミステリーです。

いままで、家族を支えてきた存在である親が、いまは要介護の老人となり、家族を破壊する存在となるという地獄絵図は誰にとっても他人事ではないかもしれません。

その状況で法やモラルというのは機能するのでしょうか。
のべ43人を殺害した殺人鬼の裁判の場面から物語は始まります。

彼への求刑は当たり前のように死刑となりますが、彼がなぜ43人を殺害することとなったのか、真相に近づくに連れて、読者はこの事件が全くの他人ごとでないことに震撼するでしょう。

以上、社会派ミステリー小説をランキング形式で紹介しました。
興味を持っていただけましたら是非読んでみてください。

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